宮城県漁業就業者確保育成センター

漁師の声

新人漁師からひとこと

  • 新人漁師からひとこと-1 澤口 佳伸さん(漁船漁業)             
  • 新人漁師からひとこと-2 津軽 圭一さん(ノリ養殖業)            
  • 新人漁師からひとこと-3 阿部 正太郎さん(ワカメ・ホタテ・ホヤ・カキ養殖業)



  • 宮城県漁業協同組合大谷本吉支所
    阿部 正太郎さん

    (みやぎ漁師カレッジ 
    平成29年度短期研修修了・令和元年度長期研修修了生)

    海苔の摘採。中央が津軽さん

    阿部 正太郎さん

    漁師になろうと決意した理由

    理由は大きく分けて2つ。1つ目は中学3年のときに大震災を経験、ゼロからの復興を見て地元のために働きたいという気持ちが芽生えたから。2つ目は財産を津波で流されても、それでもまた海で働く漁師の生き方がかっこいいと思ったから。気仙沼は基幹産業が漁業の町であり、漁師は地元に貢献しながら自分も成長できる仕事だと思う。

    平成29年度みやぎ漁師カレッジ長期研修第1期生(前列の右から2人目が津軽さん)船上でのホタテ作業

    漁師へのきっかけ

    市民が主役となるまちづくりを学ぶために大学に入るも中退。ワカメの仕事を体験し、若手の人材を必要としている現場を知る。地元に貢献できるかもと思い漁師になろうと決めた。漁師になるためにはどうすればいいのかわからずに悶々とする中で、たまたま見た漁師カレッジのポスターから参加を決めた。漁師カレッジではいろいろな漁業が体験でき、漁業に必要な資格も取れたこと、同じように漁師を志す人達と出会えてありがたかった。

    漁場を目指してコンブの刈り取り風景

    漁師の生活

    少しずつ仕事を覚えるのが楽しい。ワカメ、ホタテ、ホヤ、カキをやっているが、ワカメが豊漁だとうれしい。職場が家から5分と近くていい。令和4年に宮城県漁協の正組合員になった。
    ただ彼女を作る暇が無い。

    漁師を目指す人にひとこと

    やりたいと思ったらやればいい。しかし半端な気持ちではなく覚悟が必要。1番大切なのはコミュニティの中で信用を得る事です。そのためには仕事に対する姿勢もそうですが、挨拶といった当たり前をきちんとした方がいいです。

     

    海苔の摘採は寒く暗い内から始まります仲間たちとホヤの水揚げ、右側が阿部さん

    親方(蔵内之芽組代表、及川淳宏さん)からひとこと

    体力面からも現場には浜を盛り上げる若い人が必要。将来有望な若者が仲間になってくれてうれしい。彼は飲み込みも速く、いろいろ吸収して一人前の漁師に、さらには将来浜のリーダーになることを期待している。
    (作成日:令和5年6月)

    宮城県漁業協同組合七ヶ浜支所
    津軽 圭一さん

    (みやぎ漁師カレッジ 平成29年度第1回長期研修修了生)

    海苔の摘採。中央が津軽さん

    海苔の摘採。中央が津軽さん

    漁師に興味を持ったのは?

    定年での退職がなく、健康なら一生働ける漁師は魅力的だった。また、漁師の仕事には子どもの頃から興味があった。

    「みやぎ漁師カレッジ」受講のきっかけ

    全国漁業就業者確保育成センターのホームページで「みやぎ漁師カレッジ」を知り、船酔いが心配ではあったが、自分が漁師という仕事に通用するかの確信を得るため応募した。漁師カレッジではいろいろな漁業・養殖業の現地研修ができ、自分の進みたい道を選べることが良かった。

    平成29年度みやぎ漁師カレッジ長期研修第1期生(前列の右から2人目が津軽さん)

    平成29年度みやぎ漁師カレッジ長期研修第1期生(前列の右から2人目が津軽さん)

    漁師として歩み出す

    宮城県主催の「漁業就業支援フェアin仙台」に出かけ、ブース出展者であるノリ養殖業者の「恵比寿グループ」から熱心なお誘いを受けお世話になることとした。漁師カレッジ長期研修修了後の平成30年1月から同企業体に就業した。

    漁場を目指して

    漁場を目指して

    漁師になって夢が叶った?

    生産期はほぼ休みなしで休日は天候に左右され予定が立てづらい。会社勤めの感覚ではやっていけないが、その感覚を捨てれば大丈夫。勤務時間も短くて良い。将来的な自分の目指す道が叶えられそうだし、若い人の多い職場で活気があり、さらに良い親方に巡り合えたのが嬉しい。ノリ養殖の一サイクルを経験し、コンビニのノリ巻きやおにぎりを見る目が変わった(商品に使われているノリを生産し製品にするまでの俺たちの苦労、努力が・・・)。

    海苔の摘採は寒く暗い内から始まります

    海苔の摘採は寒く暗い内から始まります

    これからの目標

    稼げる漁師を目指したい。命を張る仕事である限りは、稼げなければ意味がない。そこそこの収入なら陸の仕事でも良いと思う。将来、資金的に余裕ができたなら自分の船を持ち独立したいと思っているが、先ずは周りの人たちの信頼と理解を得て、准組合員やがては正組合員になりたい。

    若くて元気な同僚と

    若くて元気な同僚と

    漁師を目指す人にひとこと

    担い手が少ないということは、逆に、参入できるチャンスがあるということ。やる気と興味のある方は、是非チャレンジして欲しい。やらないで後悔するより、やって後悔する方が良い。

    親方からひとこと

    一年間良く頑張り、努力し、良い仕事ができている。周りを良く見て学ぶ姿勢が良い。やればやるほど魅力のあるこの仕事に就いて本当に良かったと思えるよう、さらに頑張って欲しい。応援する。
    (作成日:平成31年3月)

    恵比寿グループ坂本代表(左側)と

    恵比寿グループ坂本代表(左側)と

    宮城県漁業協同組合網地島支所准組合員
    澤口 佳伸さん

    (みやぎ漁師カレッジ、平成28年度第1回短期研修生)

    宮城県漁業協同組合網地島支所準組合員  澤口 佳伸さん(みやぎ漁師カレッジ、平成28年度第1回短期研修生)

    漁獲したタコ類と共に

    漁業に興味を持ったきっかけ

    「趣味は釣り。ジェットスキーなどで網地島を訪れるうちに移住したい思いが強くなり、「この場所に住めば、大好きな釣りができる!」という憧れから、一戸建てを購入し移住することを決めました。」

    移住後の暮らし~島で暮らす、地域に溶け込む~

    「移住してからは、「宅配便の配送・集荷」や「海水浴場(海の家)の運営」などで生計の一部を賄っていました。島で出会う人々との挨拶を欠かさず、人に媚びずに正直に過ごし、自分自身を見てもらおうと生活していました。そんな中、暮らしぶりを心配した島民から『ギンザケ養殖』の手伝いの仕事を紹介されました。」

    地元漁師さんと歓談(中央が澤口さん)

    地元漁師さんと歓談(中央が澤口さん)

    「みやぎ漁師カレッジ」受講のきっかけ

    「紹介された養殖の仕事を手伝う中で漁協事務所に伺った際に、短期研修を紹介されました。 もともと漁師を志していたので、漁師にとって必要な知識や心得を勉強するために参加を決めました。講師の授業はとても分かりやすく、漁業への興味がより深まり、漁師になりたい気持ちがより強くなりました。」

    平成28年度 第1回 短期研修修了式

    平成28年度 第1回 短期研修修了式

    漁師として歩み出す

    「平成29年3月に先輩漁師の推薦もあり准組合員になることができました。小さな中古船を持っていましたが、同年10月にFRPの2.2トン船(115馬力)を手に入れました。分からないことを先輩漁師から教えてもらったり、進水式に多くの島民がお祝いに駆けつけてくれたり、夏のアワビ開口時には初漁獲を祝ってもらうなど、地域の人たちに支えられていることを実感しています。」

    昌佳丸全景

    昌佳丸全景

    漁師になって夢が叶った?

    「努力するほど報われる漁師の仕事は、趣味の釣りを上回る喜びがあります。漁獲物をおいしいと喜んでもらえた時は特に充実した気持ちになります。数十年振りのマダコ豊漁の恩恵や、「今日は何が獲れるだろう。どのくらい獲れるだろう。」という、楽しみに満ちた日々を過ごしています。」

    漁師カレッジ受講の様子

    漁師カレッジ受講の様子

    これからの目標

    「ヒラメ刺網漁に挑戦したいです。あとは地元の人々から「漁師は結婚して一人前」とよく言われるので、お嫁さんを探したいです。」

    漁師を目指す人にひとこと

    人より努力しなくては、良い漁師になれないと思っています。漁師は、努力を続けることで喜びや達成感を得られる最高の仕事です。
    (作成日:平成30年3月)

    漁師カレッジの講師とともに

    漁師カレッジの講師とともに